はじめに
この記事では地元の農地で利用されている農業用水を安心して使うため、
日々の水質を検査していきます。
基本的には随時更新して最新情報を載せていきますので、
こちらの記事をチェックして頂ければ良いかと思います。
※分析項目のpH・EC値についてやサンプリングに関しては後半に記載しています
簡易検査の実施
農業用水の塩分含有量の簡易検査を実施しています。
家庭用の塩分計にはなりますが、前に塩分が流入した際に試験的に使ってみたところ
ちゃんと反応していましたので問題はないかと思います。
通常は上記の写真の0.3%のところが点滅しますが、
実際は0.3%以下だと思います。
この塩分計を使った検査で0.5%を示した際に水質検査を行います。
この簡易検査の根拠は、日本の農業用水において「塩分濃度0.25%」までが農業用水の取水停止の目安になっているからです。そのため、塩分濃度が0.3%程度であれば健全に生育できると仮定しています。
※塩分濃度が0.5%のランプが点灯した段階で次の水質検査に移りますので、
下記の水質検査の更新がなければ異常なしと認識下さい。
水質検査
【結果について】
・久しぶりの分析でしたが、3日に大雨が降ったこともあり特に問題なさそうです。
【今後の対応】
・引き続き定期検査で様子をみます。
pH・EC値について
1.pHについて
簡単にいうと作物によって好む環境が異なるため、それに合わせましょうということです
その他には病気対策として、害のある微生物が活動しにくい環境にしたりなどもpHが影響します
pH7.0 で中性、それより小さければ酸性、大きければアルカリ性となります
土壌の適正pHは5.5~6.5が一般的なので、水のpHも7.0前後が適正だと考えます。
※マンガン、鉄、銅、亜鉛、アルミニウムは酸性が強くなると溶出して過剰障害になり、
アルカリ性が強くなると不溶化して欠乏障害などが発生します
ただし、モリブテンは逆の反応を示します
2.ECについて
土壌の分析では窒素肥料の残存肥料を知るための指標となりますが、
水質検査においては、単純に塩分濃度をみます。
単位は「mS/cm」ミリジーメンスパーセンチメートルを用います
こちらもpHと同様に作物によって好む環境が異なるため、そちらの指標に合わせますが、
基本的に1.0を超えると根が濃度障害を受けて、枯れてしまう可能性があります
◆EC値の目安
雨水:0.005~0.05mS/cm
河川水:0.03~0.4mS/cm
地下水:0.03~0.5mS/cm
海水:20~50mS/cm
※参考:日本応用地質学会中国四国支部
サンプリングについて
・農業用水のサンプル採取場所
農業用水の水源付近は上図のようになっており、
サンプリングしている場所は、ポンプ設備の横に流れている川の★です。
下の写真でいうと、第一水門の川側の少し先になりますね。
下の写真は第二水門で左上が海に繋がっており、手前側は海水と川が混ざった汽水域になっています。
使用している分析機器
上)堀場 コンパクトPHメータ LAQUAtwin PH‐11B
下)堀場 コンパクト電気伝導率(導電率・EC)計 LAQUAtwin EC‐33B
過去データ
◆2023年1月 水質検査データ
・1月は寒波などもあり検査回数が少なくなりましたが、水質としては安定していたようです。
◆2022年12月水質検査データ
・12月は寒波で雪が降ったりと寒い日が続きましたが、水質としては変動幅は狭く安定した数値を維持しました。
◆2022年11月水質検査データ
・全体的に安定した数値を維持しました。EC値に関しても1.5mS/cmと上昇傾向になるかと思ったタイミングもありましたが
すぐに平常値に戻ったので安心しました。気温と水質との因果関係があるかどうか分かりませんが、問題のない状況が続いています。
◆2022年10月水質検査データ
・10月前半は雨が降ったことでEC及びpH値が下がり、その後は安定した状態を維持した感じです。
EC値に関しても最高値は1.0mS/cmですので、特に問題がなかった1ヵ月でした。
◆2022年9月水質検査データ
・9月は台風が通過した直後に一時的にEC値が上昇することがありましたが、すぐに正常値に戻って
比較的安定した水質を維持しました。
◆2022年8月水質検査データ
・8月は後半の25~26日頃に第一水門において水位が水門を超える状態が何日か続いたため、
一時的にEC値が1.0mS/cm程度まで上昇しました。その後は数日で元の平常値に戻ったという感じです。
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