土壌分析をする準備ができましたので、
今回は実際に分析を行います
分析する圃場はコチラです
もう何年も放置している圃場ですが、定期的に耕運しているので
雑草はそこまで生えている様子はありません
土壌のサンプリング
①土壌のサンプリングは5点法を用います
②4ヶ所はスコップで20cm程度の穴を掘って垂直断面をつくり、作土層の土を採取します
中央の位置は少し深めに掘って断面を観察し、作土層の土を採取します
砂壌土なので100均のプラスチックのスコップでも簡単に掘れました
※200mlのサンプル管いっぱいに採取しましたが、半分程度でも十分でした
土壌分析スタート!
まずはpHとEC測定用の準備をします
各サンプル管に精製水を100mlを入れます
そしたら、採取した土を150mlのラインまで入れていきます
5ヶ所の土を各サンプル管に入れてましたら、それぞれ1分ほど激しく振って撹拌します
※地味に疲れます(笑)
この状態でしばらく放置しておきます
その間に「みどりくん」を使ってNPKを調べていきます
「みどりくん」での分析
付属の計量器で5mlの土壌サンプルを取り出し、試験用ボトルに入れます
そしたら、ボトルの50mlまで精製水を入れると準備完了です
先に「みどりくんN」から測定していきます
手順は、
①1分間激しくボトルを振る
②懸濁液に試験紙を3秒間浸して、取り出した後に余分な水分を取る
③試験紙を上向きにして30秒間待機して、試験紙をウラに向けて硝酸態窒素の結果を確認
④さらに30秒後、pHの結果を確認
次に「みどりくんPK」を測定してきます
手順は、
①先ほど使用したボトルを再度30秒ほど激しく振ります
②懸濁液に試験紙を10秒間浸す(なぜかこちらは水分を取るという説明はありません…)
③試験紙を上向きにして60秒間待機して、
試験紙をウラに向けて水溶性リン酸と水溶性カリウムの結果を確認
所定の時間を過ぎると試験紙の色が変化していくので、気を付けましょう
各5ヶ所の「みどりくん」測定が終わりましたら、最後にpHとEC測定です
pH・EC測定
放置していたサンプル管の上澄み液をスポイトで採取して、それぞれ測定します
こちらの測定はそれぞれ、1ヵ所 × 3回を行いました
結果について
分析の結果をエクセルでまとめました
結果を考察すると、
1.砂壌土の特性であるEC値が低く、硝酸態窒素も不足している
2.耕作放棄地なので肥料分は残っていない(水溶性カリウムが少ない)
3.リン酸が多い理由は何とも言えないですが、アルカリ性寄りなので金属イオンが溶出されずリン酸が固定されていないためかもしれません。
4.サンプル③のpHとEC数値がブレているのは、採取場所の水はけが悪く水分が多く含まれていたため
これから分かることは、pH調整と施肥についてになりますが、
・アルカリ性土壌なので、生石灰や石灰質肥料を施肥するのはNG
・窒素不足なので補給をするように施肥設計する
かなりざっくりですが今回の分析結果は以上となります
補足
今回の測定で1つ疑問というか、気づいたことがあります
それはpH測定の差異についてです
実は今回の測定では「みどりくん」でもpH値を測定していますが、
堀場の測定値と結果が異なっているのです…
「みどりくん」→ pH6.0~6.5
堀場製測定器 →pH8.0~8.2
これについては測定中にすぐに気付いて、機器を校正したり調整を行いましたが、
堀場製測定器に不具合があるようではありませんでした
今回「みどりくん」を初めて使用したので測定技術が足りなかったかもしれませんが、
分析初回から迷走です…
高価な分析機器の堀場を信用するか、とはいえ「みどりくん」を無視しても良いのか…
………
……
このような時は別の視点から土壌を診断します
最初の圃場の写真から分かるように、雑草は少ないですが生えているものはあります
それは何かというと「ホトケノザ」という植物です
明らかにホトケノザが群生しています
ということは、ホトケノザにとって良い環境だということです
果たして、どんな環境を好むか調べてみると…
中性~アルカリ性の土壌となっていました
ということは、堀場の測定値がより正解に近いということになります
今回のように分析結果やデータだけでは判断できないことが発生しますので、
圃場の状況(雑草、昆虫など)もチェックしておく必要がありますね
特にpHは作物にとって影響が大きく出ますので、測定する際はお気をつけ下さい
それではまた!
コメント