・そもそも土壌分析ってなに?
・分析して何がわかるの?
・どうすれば分析できるの?
まずは簡単にご紹介したいと思います
土壌分析とは?
人で例えるところの健康診断のようなイメージです
体温や血圧などを計って健康状態をチェックするのと同じような感じですね
植物の場合ですと、pH(体温) EC(血圧) CEC(胃袋)などに例えられています
診断項目は大きく分けて3つあります
- 化学性診断
- 物理性診断
- 生物性診断
物理性診断に関しては専用の器具(6万円以上)しますが、触診でも可能です
ただ生物性診断は、専門知識・技術と高価な機器が必要なため個人で行うのは難しいです
今回は、化学性診断をメインに必要最低限の診断ができることを目標にしています
分析内容と目的について
- pH測定
- EC測定
- 多量要素測定
1.pHは養分の吸収や微生物の活性など状態を知る目安
簡単にいうと作物によって好む環境が異なるため、それに合わせましょうということです
その他には病気対策として、害のある微生物が活動しにくい環境にしたりなどもpHが影響します
では、この数値は何を示しているの?と言われると
pHの数値は土壌コロイドに吸着している水素イオン濃度を示していると言えます
簡単にいうと、pH値が低いと水素イオンの数が多くなり、高いと少ないことになりますが、
図で書くと下記のようなイメージです↓
水素イオンが多いと酸性に傾き、少ないとアルカリ性と判断され、
pH7.0 で中性、それより小さければ酸性、大きければアルカリ性となります
化学の世界では微酸性、弱酸性、強酸性など細かく分類されますが、
土壌分析の世界では、7.0~5.0の範囲内で作物に適した濃度をみていきます。
土壌の適正pHは、5.5~6.5が一般的なので、pH調整の目標値として考えられています
※マンガン、鉄、銅、亜鉛、アルミニウムは酸性が強くなると溶出して過剰障害になり、
アルカリ性が強くなると不溶化して欠乏障害などが発生します
ただし、モリブテンは逆の反応を示します
2.ECは土壌中の塩類濃度の目安
窒素肥料の残存肥料を知るための指標となります
EC値が高いほど養分量が多く残っているので、減肥もしくは施肥量を抑えたりします
単位は「mS/cm」ミリジーメンスパーセンチメートルを用います
こちらもpHと同様に作物によって好む環境が異なるため、そちらの指標に合わせますが、
基本的に1.0を超えると根が濃度障害を受けて、枯れてしまう可能性があります
3.肥料の3要素 窒素(N)、リン酸(P)、カリウム(K)の目安
この3要素の大まかな役割としては、
窒素:作物の生育・収量に最も大きく影響する要素
リン酸:開花・結実に影響する要素
カリウム:根の発育を促進する要素
今回の分析では、簡易的な試験となるので本当に目安程度の確認となります
準備するもの
- pH測定器
- EC測定器
- みどりくん土壌診断キット
- スコップ、水差しボトル等
- サンプル管 200ml ×10
- 精製水
①HORIBA pH-11B コンパクトpHメータ
コンディショニングのため、精製水に浸けて数時間待つ必要があります
その後標準液を使用して2点校正を行うことで測定ができます
②HORIBA EC-33B コンパクト電気伝導率
コンディショニングは処理液を約10分浸けて終了です
その後標準液を使用して2点校正を行うことで測定ができます
③みどりくん土壌診断キット 簡易試験紙タイプ(N,P,K)
こちらの診断キットで窒素(N)、リン酸(P)、カリウム(K)を測定します
診断キットに土壌を採取するシリンダーとボトルが付いているので、最初はこちらがおススメ
④スコップ、水差しボトル等
すべて100円ショップで揃えました
水差しボトルは洗浄用として中には水道水を入れます
→充填する際にこぼれてしまうので漏斗も購入しました
※プッシュ式も洗浄用ですが、問題ないです
⑤サンプル管 200ml
pHとECを測定する際に生土50ccと精製水100ccを混合して、
上澄みを採取するために200mlのサンプル管を使います
また、サンプル土壌を採取する際にも使用します
⑥精製水
薬局等で売られているものです
準備するものは以上です
次は実際に土を採取して測定をしてみます
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